2026.10.18

司法書士の開業準備とホームページ|登録から公開までの段取りと最初に載せる業務

森井 良至
執筆者
税理士・弁護士に特化したホームページ制作会社
「株式会社オルトベース」の代表 森井 良至
司法書士の開業準備とホームページ|登録から公開までの段取りと最初に載せる業務

弊社オルトベースは、税理士・司法書士・行政書士などの士業のホームページ制作を中心に手がけています。司法書士の開業準備では、ホームページは登録と入会の手続きと同じ時期に作り始め、最初の業務ページは相続登記を軸にする進め方がいちばん無理がありません。登録から公開までの段取りと、最初に載せる業務、費用の目安をまとめました。

ホームページは登録と入会の手続きと同じ時期に作り始めるのがベター

開業の準備では、事務所の確保、登録の申請、職印や名刺の用意が一度に重なります。ホームページを後回しにすると、開業してしばらくはサイトが無いまま営業することになり、紹介を受けた方が事務所を調べても何も出てこない状態が続きます。

名簿への登録と司法書士会への入会を済ませて、はじめて業務ができる

日本司法書士会連合会の組織の案内にあるとおり、司法書士になるには日本司法書士会連合会の司法書士名簿に登録を受ける必要があり、司法書士会に入会しないと業務を行うことはできません。登録の申請は、事務所を置く地域の司法書士会を通じて行うのが一般的です。

手続きにかかる期間は司法書士会や時期によって前後するので、開業日は余裕を持って決めておくと安心です。弊社が制作する名刺代わりのサイトは、原稿の元になる情報と写真がそろってから2〜3週間で公開できるので、登録の申請と同じ時期に作り始めれば、手続きを待つあいだに仕上がります。

名刺と挨拶状にURLを入れるなら、開業の1ヶ月前には形にしておく

開業の挨拶状や名刺は、開業日の前に刷り上がっている必要があります。司法書士は、不動産会社・金融機関・税理士などからの紹介で仕事が始まることが多い資格です。挨拶に回るときにホームページのURLを渡せると、紹介する側も「こういう事務所です」と説明しやすくなります。

時期 開業の手続き ホームページ
開業の3ヶ月前 事務所を決め、申請の書類を集める 制作会社に相談し、事務所名とドメインを決める
開業の2ヶ月前 司法書士会に登録の申請・入会の手続き 原稿の元になる情報と写真を用意する
開業の1ヶ月前 職印・名刺・挨拶状を用意する サイトを仕上げて確認する。名刺と挨拶状にURLを入れる
開業 業務の開始 公開。Googleビジネスプロフィールを登録する

最初の業務ページは相続登記を軸にするのが現実的

司法書士の業務は、不動産登記・商業登記・相続・成年後見・債務整理と幅があります。開業したばかりの事務所がホームページで最初に厚くする業務を1つ選ぶなら、弊社の考えでは相続登記がいちばん現実的です。個人の方が自分で検索して事務所を探す業務で、地域で探されることが多く、開業したばかりの事務所でも上位を狙いやすいからです。

相続登記の義務化で、調べる人が増えている

法務省の案内によると、2024年4月1日から相続登記が義務になり、相続したことを知った日から3年以内に登記をする必要があります。正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象になり、2024年4月より前に相続した不動産も、2027年3月31日までに登記をする必要があります。

親の名義のままの家や土地を抱えている人は多く、期限が近づくにつれて「相続登記 義務化 いつまで」「相続登記 費用」のように調べる人は増えていくと見ています。義務化の内容を一般の方にも分かる言葉で説明し、事務所に頼んだ場合の流れにつなげるページを用意しておくと、開業したばかりでも相談の入口になります。

義務化を相談につなげるページの作り方は、下記の記事で詳しくまとめています。

依頼する人は「登記」より困りごとの言葉で探す

一般の方は「所有権移転登記」という言葉では探しません。「親が亡くなった 家 名義変更」「実家 相続 手続き 何から」のように、困りごとの言葉で調べます。業務のページの見出しや冒頭の文に、こうした言葉を入れておくのがベターです。業務ページの原稿の例は、下記の記事でまとめています。

開業直後は名刺代わりのサイトから始め、業務のページを足していく

開業したばかりの時期は、どの業務の相談が多く来るかがまだ分かりません。最初から10ページを超えるサイトを作ると、半年後に書き直す部分が多くなります。弊社の経験では、まず1〜3ページで公開し、相談の多い業務が見えてから、その業務のページを足していく先生が多いです。

名刺代わりのサイトに載せる内容は4つで足りる

  • 事務所の名前・所在地・連絡先と、所属する司法書士会・登録番号
  • 扱う業務(相続登記を先頭に)と、費用の目安
  • 代表のプロフィールと、司法書士になった経緯
  • 相談の方法(面談・電話・オンライン、土日の対応の可否)

開業したばかりで実績が少ないことは、気にする必要はほとんどありません。相続の相談に来る方が知りたいのは、自分の場合に何が必要か、いくらかかるか、話しやすそうな人か、の3点です。前職の経験(司法書士事務所での勤務年数、金融機関での勤務など)は、実績の代わりに安心感を伝える材料になります。

不動産登記・商業登記・成年後見は、相談が来てから厚くする

不動産会社や金融機関から依頼が来る売買の登記や、会社の担当者が依頼する商業登記は、紹介や取引の関係で仕事が決まることが多く、ホームページは信頼を確かめる場所としての役目が中心になります。成年後見は、家族の方がじっくり読んで判断する業務なので、相談が来るようになった段階でページを厚くしても遅くはありません。弊社で制作したサイトであれば、業務のページを1ページ足す費用は4万円台が目安です。

費用は報酬と登録免許税などの実費を分けて書く

相続登記の費用は、司法書士の報酬と、登録免許税・戸籍や登記事項証明書の取得費用といった実費に分かれます。相続による土地や建物の所有権の移転登記の登録免許税は、国税庁の税額表のとおり固定資産の評価額の1000分の4です。報酬だけを書くと安く見え、総額を書くと高く見えるため、比べる人にとっていちばん分かりにくいところです。

書き方 例 伝わり方
報酬だけを書く 相続登記 3万円〜 安く見えるが、問い合わせてから総額で驚かれることがある
報酬と実費を分ける 報酬 3万円〜+実費(登録免許税・証明書の取得費用) 何にいくらかかるかが分かり、比べやすい
例を1つ載せる 評価額1,000万円の家1件の場合の総額の例 自分の場合をイメージしやすく、問い合わせの前の不安が減る

(表の金額は書き方の例です。実際の報酬は事務所ごとに決めてください)弊社では、報酬と実費を分け、総額の例を1つ添える形をお勧めしています。費用のページがある事務所は、比較の段階で候補に残りやすい傾向があります。

事務所名・ドメイン・Googleビジネスプロフィールは同じ時期に決める

事務所名、ドメイン(ホームページの住所にあたる文字列)、ロゴは、名刺・看板・ホームページのすべてに使います。別々の時期に決めると、名刺を刷ったあとにドメインが取れないと分かる、といった手戻りが起きます。ドメインは事務所名のローマ字で取り、「相続登記」のような業務の名前はページのタイトルや見出しで伝える形がベターです。

Googleビジネスプロフィール(Googleマップに事務所の情報を出す無料の仕組み)は、開業日に合わせて登録しておくと、「地域名 + 司法書士」で地図に出る入口になります。相続の相談は高齢の方やそのご家族からも来るので、地図から電話をかけられることも意外と大事です。

広告の書き方は司法書士行為規範に沿わせる

ホームページも広告の一つとして扱われます。司法書士行為規範の第17条では、虚偽の事実を含んだり誤認を生じさせるおそれがある広告と、品位や信用を損なうおそれがある広告を行ってはならないとされています。

「地域最安値」「どこよりも早く登記します」のように、根拠を示せない表現やほかの事務所と比べる表現は、誤解を招くおそれがあるため避けたほうが無難です。債務整理の業務を載せる場合は、結果を約束するように読める書き方にも注意が要ります。

表現に迷う部分は、制作の段階で弊社が草案を出し、最終的な判断は先生にお願いしています。所属する司法書士会に、広告について独自の決まりがあるかどうかも、開業の前に一度確かめておくと安心です。

開業時のホームページ費用は30万円からが目安

弊社の料金の目安は下記のとおりです。初期費用を大きく左右するのは、何ページ作るかです。表示価格はすべて税別です。

プラン 費用の目安 向いている時期
名刺代わりのサイト 30万円〜 開業の準備中。1〜3ページで、まず公開したい
一般的なサイト 45〜65万円 相続登記・不動産登記・商業登記など、業務ごとのページを持ちたい
集客特化型のサイト 65〜120万円 相続の分野で相談を増やしたい。費用のページ・事例・記事を積み上げる

どのプランでも、スマートフォン対応、お問い合わせフォーム、SSL(通信の暗号化)は標準で含まれ、原稿の草案もこちらで作ります。公開後の月額費用は、保守をご依頼いただかない限りかかりません。(相続の業務だけを扱う専門のサイトを別に作る場合は、ページ数に応じてお見積りします)

最後に

司法書士の開業準備では、ホームページを登録と入会の手続きと同じ時期に作り始め、開業日に公開するのが無理のない段取りです。最初は1〜3ページで公開し、相続登記を軸に業務のページを足していく形なら、開業したばかりでも相続登記の義務化を相談の入口にできます。費用は報酬と実費を分けて書いておくと、比べる人にも誤解なく伝わります。

弊社は士業のホームページ制作を中心に、開業の準備中の先生のサイトも数多く制作しています。遠方の方ともGoogle Meetでお打ち合わせができます。「開業日に間に合うか」「どの業務から載せればよいか」といったご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。司法書士事務所のページ構成の例と、相続の業務で相談を増やすためのページは、下記でまとめています。

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