士業のホームページにおいて「配色」は、信頼感・専門性・相談しやすさを視覚的に伝える極めて重要な要素です。特に士業の場合、主なターゲットを「法人向け」か「個人向け」かどちらにするかにより、訪問者が求める印象が大きく異なります。ここでは、法人向けをターゲットとする士業と、個人向けをターゲットとする士業に分けて、お勧めの配色とその理由を解説します。
法人向け士業のホームページの配色
お勧めの配色
| メインカラー | ネイビー(紺色)、ダークグリーン(深緑) |
|---|---|
| ベースカラー | 白・グレー |
対象となる主な士業
- 税理士(税務顧問・決算・会計支援が中心)
- 弁護士・司法書士(企業法務・契約・M&A・登記などが中心)
- 社会保険労務士
- 弁理士
なぜ「ネイビー・ダークグリーン」が適しているのか、解説していきます。
1. 信頼性・誠実さを直感的に伝えられる
青系は、金融機関・官公庁・大企業でも多く使われる色で、「正確さ」「冷静さ」「安定感」といった印象を与えます。ターゲットとなる経営者層は、「失敗できない」「長期的に任せられるか」「信頼できるか」を重視するため、感情よりも合理性・安心感が伝わる色が好まれます。
2. 専門性・堅実さを演出できる
ダークグリーン(深い緑)は、「落ち着き」「継続性」「長期的な信頼関係」を象徴する色です。「顧問契約」「継続支援」が前提となる法人向け業務と相性が非常に良い配色です。
3. ビジネスライクな印象を損なわない
派手さを抑えた寒色系は、“安そう”に見えないというメリットもあります。とりあえず名刺代わりに用意しておきたい=デザインを整えておきたい、といった場合でも、この配色がお勧めです。
法人向け士業のホームページの参考デザイン
司法書士ファースト・パートナーズ総合事務所
ケイタクス会計事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
西村あさひ法律事務所
市野裕明法律事務所
「イメージが重たすぎる」「もう少し気軽に相談できる感じにしたい」場合は、ネイビーではなく、もう少し淡いブルー寄りの色を使うなどすると印象が明るくなります。
個人向け士業のホームページの配色
お勧めの配色
| メインカラー | 緑・暖色系(オレンジ、淡い赤) |
|---|---|
| ベースカラー | 白・ベージュ |
対象となる士業
- 税理士(相続中心)
- 弁護士(相続・離婚・個人相談中心)
- 司法書士(相続・不動産登記中心)
- 行政書士(許認可・相続・個人支援)
なぜ「緑・暖色系」が適しているのか、解説していきます。
1. 安心感・親しみやすさを与えられる
個人向けの相談者は、「不安を抱えている」「法律や税務に詳しくない」「緊張して問い合わせを躊躇している」ケースが多くあります。緑や暖色系は、「やさしい」「話を聞いてもらえそう」「怖くない」という心理的ハードルを下げる効果があります。
2. 「相談しやすさ」を視覚で補える
士業への相談は、内容以前に「連絡する勇気」が最大の壁になることも少なくありません。暖色系をアクセントに使うことで、「問い合わせボタンが目立つ」「サイト全体が柔らかく見える」といった効果があり、行動につながりやすくなります。
3. 人に寄り添う姿勢を表現できる
相続・個人相談は、感情的な側面も強い分野です。無機質な配色よりも、「人が対応してくれる」「気持ちを汲んでくれる」印象が重要になります。
個人向け士業のホームページの参考デザイン
ひめさゆり法律事務所
橋爪・藤田法律事務所
井上法律事務所
北海道合同法律事務所
法律事務所ホームワン
井澤会計事務所
岩崎・長野会計事務所
ゼロア司法書士事務所
高橋会計事務所
最後に
士業のホームページにおける配色は、単なるデザイン要素ではなく、「どのような相談者に、どのような姿勢で向き合っている事務所なのか」を無言で伝える重要なメッセージです。
法人向けでは、信頼性・専門性・堅実さを視覚的に表現する配色が求められ、個人向けでは、安心感や相談しやすさを感じてもらうことが成果に直結します。
重要なのは「流行っている色」を選ぶことではなく、「自分たちが誰のために、どんな価値を提供しているのか」を配色で正しく伝えることです。ターゲットを明確にしたうえで配色を設計することで、ホームページはより強力な集客ツールとなります。













