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2023.07.26

ホームページ制作の費用相場 | 制作会社の選び方

森井 良至
執筆者
合同会社オルトベース 代表 森井 良至
ホームページ制作の費用

初めてホームページ制作を行う際、費用相場がわからずに見積書が適切かわからない、といったことが起きがちです。この記事ではホームページの種別ごとに費用相場をまとめつつ、制作会社の選び方や発注時のトラブル事例などを解説しています。

目次

ホームページ制作の費用

ホームページの種類ごとに費用相場をまとめました。費用は必要なぺージ数や機能によって変動し、戦略を立てる段階から依頼をすればさらに費用が上がります。

コーポレートサイトの費用相場:20~100万円

会社・店舗紹介を中心にしたホームページです。コーポレートサイトなら会社概要・事業内容・採用情報などを、店舗サイトなら店舗紹介・メニューやサービス、アクセス情報などを掲載します。ページ数や集客をどれくらい望むかにより費用が変動します。

ポータルサイトの費用相場:50~500万円

インターネットの入口の役割を果たすホームページです。業界・業種に特化したポータルサイトも多数存在していますが、会員登録・管理をはじめ、ホームページに多数の機能を搭載する必要があり、ページ数も膨大になりがちです。

採用サイトの費用相場:50~500万円

求人専用のホームページです。会社紹介はもちろん、従業員インタビューや働き方を動画にして掲載する場合もあり、制作費用の幅が広く、高額になりがちです。コーポレートサイトのコンテンツのひとつとして制作する場合も少なくありません。

ECサイト(ネットショップ)の費用相場:50~250万円

ネット上で商品を販売するホームページです。BASEなどのASPサービスで構築する方法、EC-CUBEなどのオープンソースで構築する方法があり、前者は数十万程度と安いものの制限が多く、後者の場合は自由度が高いものの、高額になりがちです。

マッチングサイトの費用相場:100~500万円

商品・サービス・スキル・情報などを提供したいユーザーと、それを求めているユーザーをマッチングさせるホームページです。
会員機能や検索機能をはじめ必要な機能が多く、要件によっては500万円程度かかります。

ランディングページの費用相場:5~30万円

検索やWeb広告経由でユーザーが最初にアクセスするページで基本的に1ページとなります。縦長にスクロールするのが特徴で、販促に特化したホームページともいえます。販売・集客などのコンサルティング依頼を含めると高額になります。

ホームページ制作費用の裏側

ホームページ制作には仕入れが発生しないため、基本的には「費用=時間(人件費)」です。どの作業工程に対して、どのくらいの時間が必要かによって、費用が決定します。見積もり費用が高額な会社はここに注力する傾向があります。

戦略・企画の時間

ホームぺージを作って集客したい場合、競合を把握したうえで自社の強みを整理します。ターゲット層に適切に訴求するため、調査や企画にあてる時間となります。
業務例:競合調査、顧客調査、サイトマップ作成、画面設計、見積書作成…

制作の時間(デザイン・コーディングなど)

どんなホームぺージを、どんな構成で、何ページ作るのかが決定したら、制作が開始します。ページ数が多いほど、制作に時間がかかるため、費用が高額になりがちです。デザインを雛形(テンプレートデザイン)にして、時短を図る企業があります。
業務例:デザイン、コーディング、フォーム開発、会員登録機能、決済機能…

運営・集客のための時間

納品後にホームページのページ追加などを制作会社に依頼する場合や、集客をお願いする場合には費用がかかります。最近ではCMSの台頭により、自社で運営する企業が増加しています。納品後に依頼するか決定できるケースが多いです。
業務例:運用保守、アクセス解析、SEO対策、リスティング広告…

ホームページ制作会社の種類

ホームページ制作の依頼先は「大手・中堅の会社」「中小規模の会社」「フリーランス」の3つに分類できます。広告代理店や印刷会社、コンサル会社なども対応してくれるケースがありますが、結局は制作会社に外注するケースが多いです。弊社オルトベースを交えて4つに分類したうえで、特徴を比較しました。

種別 費用 デザイン サポート 備考
大手・中堅規模(50名~) × 大規模なサイトの構築実績が多く、Web広告や印刷物、システム開発など幅広い業務に対応するが制作費が高額で、予算100万円以下は断るケースが多い。
中小企業(10名~) △~〇 △~〇 △~〇 安過ぎる会社はテンプレートデザインのケースや、戦略・企画などに対応できないケースが多い。実績数などを見て会社選定すると良い。
弊社オルトベース(5名) 弊社は営業部がなく、全員がクリエイターで少数精鋭として運営しているため、安価な費用で高クオリティのデザインを実現しております。
フリーランス △~〇 ×~△ とにかく安く制作してもらえるが、クオリティにバラつきがあり、集客の相談やその後の運用保守に対応してもらえないケースが多い。

ホームページ制作に関わる人員の例

ホームページ制作には様々な人員が関わります。小規模な会社やフリーランスの場合は、全行程を一人で対応するケースがあります。

戦略・企画

  • Webディレクター
  • Webプランナー
  • Webマーケター

制作の時間

  • Webディレクター
  • Webデザイナー
  • イラストレーター
  • コーダー/プログラマー
  • ライター
  • カメラマン

運営・集客

  • Webディレクター
  • データサイエンティスト
  • SEOコンサルタント
  • 広告プランナー

目的別の制作会社の選び方

名刺代わりに作りたい or とにかく安く作りたい

会社名で検索された際や、取引先への案内向けにホームページを持っておきたいケースや、クオリティは重要視せずにとにかく安く作りたいケース

  • テンプレートデザインで制作を行うような制作会社に依頼
  • 安価で対応してくれるフリーランスに依頼

テンプレートデザインとは、既に完成されたデザインのことで、それに原稿を流し込むだけでホームページが完成するため、安価な費用で制作できます。安さにこだわるのであれば、フリーランスに依頼しても良いでしょう。そもそも名刺代わりの目的で、デザインにもこだわらないのであれば、WIXなどのツールを使って自分で作成しても良いかもしれません。

しっかりと集客をしていきたい

資料請求やお問い合わせ、来店予約など、何かしらのゴールに対して、しっかりと集客できるようなホームページを作りたいケース

  • 企画・提案に力を入れている制作会社に依頼
  • SEO対策や広告運用の依頼もできる制作会社に依頼

集客を行いたいのであれば、競合分析、自社の強み、ターゲット層などを整理したうえで、どんなキーワードで上位表示を狙い、どういったデザイン・原稿ならお問い合わせに至りやすいか、などを考慮する必要があります。そのため、企画や提案力がある会社や、SEO対策が得意な会社、自社の業界に知見がある、実績がある制作会社に発注した方が良いです。

採用数の増加を図りたい

新卒・中途採用において、求人媒体だけではなく、自社のホームページからの応募数を増やしたいケース

  • 採用サイトに特化した制作会社に依頼
  • デザイン・ブランディングに強い制作会社に依頼

採用をゴールとするのであれば、代表と従業員へのインタビューや写真撮影、応募者に刺さるコピーの検討、福利厚生の見せ方などに注力しましょう。一般的なホームページとは違ったコンテンツ・訴求となるため、採用サイトに特化した会社に依頼した方が良いでしょう。原稿や写真を自社で用意する場合は、ある程度の値下げが可能となります。

ネット販売を行いたい

商品をネットで販売したいケース、または既に楽天やYahooなどのモールに出店しており、自社のECサイトを作成したいケース

  • ECサイトに特化した制作会社または開発会社に依頼

ECサイトに特化した制作会社といっても、どのくらいの規模にしたいかにより、選定する会社が変わります。小規模なサイトであれば、レンタルカートで十分ですが、大規模なサイトで在庫管理をしたい場合などは数百万以上かかります。制作会社がどの価格帯に特化しているかを質問したり、作成したいサイトと似た制作実績があるかを見て、判断すると良いでしょう。

発注前に決めておくべきポイント

最低限「目的」「納期」「予算」を決定したうえで、可能であれば、依頼する作業範囲や参考デザインなども決めておきましょう。

目的

ホームページを作りたい背景・意図を伝えましょう。「30代の男性に」「自社の商品をアピールし」「お問合せを増やしたい」といったように、ターゲット / 見せたいもの / 最終ゴールを伝えるようにしましょう。

納期

何月何日までに、またはこのくらいの時期には公開したいといった、納期(公開日)を指定しましょう。納期によっては、制作会社のリソース上、対応できない、または特急料金となるケースがあります。そのためにも余裕を持って相談・依頼するようにしましょう。

予算

家を建てるのと同じように、こだわれば際限なく費用がかかるので、予め目安予算や上限予算を伝えることにより、その予算内で実現可能なホームページを提案してもらえます。具体的な要件が決まっている場合は、予算を伝えずに見積もりを貰っても良いでしょう。

作業範囲の明確化

  • 写真の用意 / 原稿の用意
  • サーバー / ドメインの用意
  • ロゴの用意
  • 運用保守

参考デザインの共有

  • 希望のカラー / 配色
  • 伝えたい内容 / ページ構成

複数の参考サイトのURLと、それぞれ良いと思ったポイントを共有するとベターです。

サイトマップの作成

  • 何ページ作りたいか
  • それぞれどんなページにするか
  • 随時更新したいページはあるか
  • 必要な機能はあるか

詳しくは後述しますが、ページ数によって費用が変わるため、参考サイトを見ながら、どのくらいのページ数が欲しいのか、またどんな内容を載せたいか、考えておくと良いでしょう。

その他

  • アクセス解析ソフトの権限付与
  • サーバー / ドメインのログイン情報
  • 会社パンフレットや写真の共有
  • 自社の強み / 競合の整理

リニューアルの場合で、Google Analyticsなどのアクセス解析ソフトを入れているのなら、制作会社に権限を付与して分析してもらうと、より集客を意識した提案を貰うことが可能です。

また、レンタルサーバーやドメインを既に保有しているのなら、特にサーバーにおいてはログイン情報を共有する必要が多いため、整理しておくと良いでしょう。

より正確な見積書を貰うためには、詳細に依頼内容を伝える必要があります。口頭だと伝達漏れが発生する可能性があるため、なるべくWordやExcelなどで文面にまとめ、何をしたいかを明確にしておくと良いでしょう。

ページの構成を決めるサイトマップ

税理士のホームページのサイトマップの例です。トップページ以外のことを下層ページと呼びます。下層ページは、第2階層、第3階層..の全てを指します。適切に階層化することにより、サイトを訪れたユーザが、迷わずに簡単にページに辿り着くことができます。(この例では業務内容が第2階層、税務会計が第3階層となります)

  • トップページ
    • 業務内容
      • 税務会計
      • 決算申告
      • 経理・記帳代行
      • 節税対策
      • 税務調査対策
    • 事務所案内
    • 料金・費用
    • お知らせ・コラム
      • お知らせ一覧
        • お知らせの詳細
      • 税務に関するコラム一覧
        • コラムの詳細
    • プライバシーポリシー
    • お問い合わせフォーム

基本的にページ数が増えるほど、費用が掛かります。お知らせやコラムのように、随時更新するページがある場合は、WordpressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入するケースが多いです。これにより自社で簡単に更新できるようになります。

依頼先の選び方と注意点

ホームページ制作は遠方にある会社でも依頼できますが、裏を返せば全国の数万件もの制作会社から依頼先を決める必要があります。
効率的に会社を比較するには、自分の中で絶対に譲れない軸、妥協しても良い軸を決めておきましょう。

コミュニケーションはしっかり取れるか

ホームページ制作は制作会社とのやり取りが大量に発生するため、コミュニケーションに難がある会社または担当者だと、上手く進行できません。レスは早いか、話しやすいか、傾聴の姿勢があるか、などをチェックしておくと良いでしょう。

制作会社の得意分野 / 領域は目的に沿っているか

制作会社のホームページを見て、自社の課題に応えられそうかをチェックしましょう。特にどんな業務や業界を得意としているか、強み・特色は何か、作りたいサイトと似た実績はあるかは要チェックです。

自社の業界に知見はあるか

自社の業界に知見がない場合、コミュニケーションに苦労するだけでなく、戦略的な提案の質が落ちる可能性があります。打ち合わせにて、業界知識はあるか、制作実績で自社業界の実績があるかをチェックしておくと良いでしょう。

提案内容は満足できる内容になっているか

こちらの課題に解決できるものとなっているか、説明はわかりやすいか、予算内で希望の納期になっているか、不明慮な項目はないか、などをチェックしましょう。

制作費用 / ランニングコストはどのくらいか

初期費用だけでなくランニング費用を必ず把握しましょう。制作費用が極端に安い企業は「最低3年間は毎月〇万円を支払う」という契約形態になるほか、著作権が自社側に帰属せず、ロゴが自由に使えない可能性もあります。

対応ブラウザ、OSは網羅できているか

スマートフォンには対応してもらえるか、Chrome、Safari、Edgeなどの主要ブラウザに対応してもらえるか、確認しておきましょう。安い企業は、複数のブラウザで表示チェックをしない可能性があるので注意が必要です。

対応範囲がしっかりと明記されているか

見積書または発注書や契約書に対応範囲が明記されているか確認しましょう。ぺージ数やデザインの修正回数、スライドなどの機能の記載がないと、要望する度に追加費用が発生する可能性があります。

アフターフォローはどうか

ホームページは作って終わりではなく、定期的な更新やぺージの追加が必要です。運用サポートも依頼するのであれば、月額費用や電話・訪問対応の有無、スポット依頼した場合の費用感などをチェックしましょう。

ドメインとサーバーについて

家を建てる際に、土地を借りる、または購入して、家を建て、住所を登記申請するように、ホームページを公開するには、土地となるサーバーを借りる、または購入して、住所となるドメイン(例:aaa.jp)を購入する必要があります。※サーバーは購入せずに借りるのが一般的です。

サーバー・ドメインは「自費で(自分で)用意/管理」「制作会社側が用意/管理」するパターンがあります。制作会社に依頼すれば、面倒な設定が不要で更新のし忘れなどを気にする必要がなくなりますが、その分、多少の費用が上乗せされます。

「自費で用意」の場合、ネームサーバー(DNS)の設定、メールアドレスの作成などの対応が必要ですが、制作会社にこの部分だけ代行して対応してもらうこともできます。
※一般的には1万~3万円程度

ちなみに、URLで「http」→「https」に対応することをSSL対応と呼びますが、レンタルサーバーであれば、運営元が無料のSSLを用意しているケースが多いため、1クリックで簡単に申請できます。

昨今、セキュリティ強化に伴い、SSLは必須なので、必ず対応しましょう。ECサイトなど個人情報を扱うサイトにて、より信頼性の高いSSL対応が必要であれば、有料の証明書の購入が必要となります。

ホームページ制作の流れ

「予算60万円で10ぺージの税理士・公認会計士のホームページを制作する」というケースの流れです。一般的には納品まで3ヵ月程度ですが、原稿作成やデザインの確認に時間がかかり、遅れが生じる場合があります。

ホームページ制作の流れ

よくあるトラブル事例・回避方法

コミュニケーション系

・言った言わないの水掛け論が起きてしまった
・「そんな業務は契約にない」と言って対応してくれない
・契約した途端に担当者が変わり、上手く進行しなくなった
・電話サポートを一切してくれない

  • やり取りは証拠が残るメールで行い、電話や対面での重要な話はメールで議事録を送る
  • 契約書や発注書など書面の取り交わしをする
  • 契約書に提供する業務の内容を細部まで確認する
  • 見積書に記載された追加費用と対応範囲を確認する
  • 契約後の担当者が誰なのかを事前に聞いておく

納期・納品系

・いつまで経っても成果物が納品されない…
・想定通りに進行せず公開が間に合わない可能性が
・納品があったが著作権がなく用途が制限される
・バグが多く使い物にならない

  • スケジュールを事前に共有してもらう
  • スケジュールが遅れる場合の懸案事項を洗い出す
  • 成果物の著作権は自社に帰属するか確認する
  • 何を以って納品とするのか事前にすり合わせる
  • 納品から何ヶ月以内の欠陥部分を対応してもらえるか確認する(瑕疵担保・契約不適合責任の確認)

請求系

・契約したら前入金を要求された
・追加費用が膨れ上がり、当初の見積額から大きくズレた
・何かと追加費用がかかると言われる
・月額運用費用が思った以上に高額だった
・実費負担分を考慮すると当初の予定以上の支出となった

  • 見積書の各項目は詳細に確認・把握する
  • どこまでが業務提供範囲なのか、契約書に明記されているか
  • 見積りを依頼する段階で、支払いの流れを聞く
  • ランニングコストはどれだけかかるか確認する(月額 / 年間費用)
  • 実費負担分は存在するか確認する(自費での購入関連)
ホームページ制作でお困りごとはありませんか?

もしも今現在、

  • ホームページを作りたいけど何からはじめたらよいかわからない
  • とりあえずどのくらい費用がかかるかを知りたい
  • リニューアルや集客について気軽に相談したい

上記のようなお困りがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。オンラインにも対応しております。弊社は小人数の会社ということもあり、代表やディレクターが直接お話をお伺いします。

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