ホームページを開設するには「サーバー」と「ドメイン」の2つの契約が必要です。「サーバーやドメインと言われてもよくわからない」という士業の先生も多いのではないでしょうか。結論として、さまざまなレンタルサーバーを使ってきた経験から、サーバーはエックスサーバー、ドメインも同じエックスサーバーで取得するのが最もおすすめです。本記事ではサーバーとドメインの基礎知識から具体的な選び方までを解説します。
目次
サーバーとドメインはホームページの「土地」と「住所」にあたる
サーバーとは、ホームページの文章・画像・デザインデータを保管し、インターネット上に公開するためのコンピューターです。不動産にたとえると「土地」にあたります。自前でサーバーを用意するのは費用も手間もかかるため、月額1,000円前後で利用できるレンタルサーバーを契約するのが一般的です。
ドメインとは「example.com」のようなインターネット上の住所です。ユーザーはこのドメインを入力してホームページにアクセスします。ドメインは年間数千円程度の維持費がかかります。サーバーとドメインの両方を準備してはじめてホームページが公開できます。
士業のホームページはWordPress(ワードプレス)で構築するのが主流です。WordPressは世界で最も利用されているCMS(コンテンツ管理システム)で、専門知識がなくてもブログ感覚でページの追加・更新ができます。レンタルサーバーを選ぶ際はWordPressとの相性も重要なポイントになります。
レンタルサーバーはエックスサーバーが最もおすすめ
さまざまなレンタルサーバーを利用してきた経験から、士業のホームページにはエックスサーバーを推奨します。
表示速度が速く安定稼働している
エックスサーバーはサイト表示を高速化する「XPageSpeed」やnginxを活用した「Xアクセラレータ」を標準搭載しており、WordPressサイトの表示速度が非常に速いです。実際にエックスサーバーで運用しているサイトは、Googleが提供するPageSpeed Insightsでも高スコアが出やすい傾向があります。表示速度はSEOの評価要因の一つであり、ユーザーの離脱防止にも直結するため、士業サイトでも重視すべきポイントです。表示に3秒以上かかるサイトは訪問者の半数以上が離脱するというデータもあり、サーバーの速度は集客に直接影響します。
電話サポートがあり専門知識がなくても安心
エックスサーバーは平日10時〜18時の電話サポートに対応しており、メールは24時間365日受け付けています。サーバー設定やトラブル時に電話で相談できるのは、Web専門でない士業の先生にとって大きな安心材料です。実際に「メールの設定がうまくいかない」「WordPressにログインできなくなった」といった問い合わせにも丁寧に対応してくれます。他社では電話サポートがなくチャットやメールのみというケースも多く、この点はエックスサーバーの明確な強みです。
WordPressの導入・SSL設定が簡単
エックスサーバーには「WordPress簡単インストール」機能があり、管理画面から数クリックでWordPressを導入できます。SSL(https化)の設定もワンクリックで完了します。他社では手動でデータベースを作成してからWordPressをインストールする必要がある場合もありますが、エックスサーバーではその手間がありません。士業の先生がご自身で初期設定を行う場合でも、公式マニュアルが画像付きで充実しているため迷うことが少ないです。
通常プランとビジネスプランの選び方
エックスサーバーには通常プランとビジネスプランがあります。
通常のホームページであれば通常プランで十分です。通常プランでもディスク容量300GB・転送量無制限と、士業サイトの運用には十分すぎるスペックがあります。
「今後メールアドレスを大量に増やす可能性がある」「複数のWebサイトを構築する可能性がある」「少しでも表示速度にこだわりたい」といった場合はビジネスプランを検討してもよいでしょう。法人だからビジネスプランを選ばなければならないというルールはありません。迷ったら通常プランから始めて、必要に応じて後からアップグレードするのが合理的です。
なお、エックスサーバーの料金は契約期間によって変わります。12ヶ月以上の契約が割安になるため、長期利用を前提にするなら12ヶ月または36ヶ月契約がおすすめです。
主要レンタルサーバー4社を使ってきた比較
弊社ではこれまでに複数のレンタルサーバーを実際に契約・運用してきました。その経験をもとに主要4社を比較します。
| サーバー | 表示速度 | 管理画面 | 電話サポート | 月額料金の目安 |
|---|---|---|---|---|
| エックスサーバー | 速い | 使いやすい | あり | 約1,000円〜 |
| ConoHa WING | 速い | 使いやすい | あり | 約1,000円〜 |
| さくらインターネット | 普通 | 使いづらい | コールバック予約 | 約500円〜 |
| ロリポップ | 遅い | 普通 | なし | 約500円〜 |
ロリポップは月額500円前後と安いものの、WordPressの表示速度が体感で明らかに遅く、ページの読み込みにストレスを感じる場面がありました。料金の安さは魅力ですが、士業サイトで集客を考えるなら速度面の不安は見過ごせません。(月500円をケチって表示速度を犠牲にするのは、タクシー代を節約して商談に遅刻するようなものです)
さくらインターネットは老舗のレンタルサーバーで安定性には定評がありますが、管理画面のデザインが独特で直感的に操作しにくい印象です。設定項目の場所がわかりにくく、WordPressのインストールも他社に比べて手順がやや多いです。Web操作に慣れていない士業の先生にはおすすめしにくいです。
ConoHa WINGは速度面では優秀で管理画面も使いやすいですが、2018年開始のサービスのため、エックスサーバー(2003年開始)に比べてサービス歴が浅く、長期運用の実績では差があります。士業のホームページは10年以上運用するケースも珍しくないため、サービスの安定性や継続性も選定基準に入れるべきです。速度・サポート・使いやすさ・運用実績の総合力で最も優れているのはエックスサーバーです。
ドメインはサーバーと同じ会社で取得すると設定が楽
ドメインの取得先はサーバー会社以外にも「お名前.com」「ムームードメイン」「Google Domains」など多数あります。どこで取得してもドメイン自体の品質に違いはありませんが、サーバーとの紐づけ作業に大きな差が出ます。
別会社で取得するとDNS設定の手間が発生する
ドメインをサーバーとは別の会社(お名前.comやムームードメインなど)で取得すると、ネームサーバーの変更やDNSレコードの設定が必要になります。DNS(Domain Name System)はドメインとサーバーを紐づける仕組みで、設定画面で指定の文字列を入力する作業が発生します。
専門的な設定のため初めての方にはハードルが高く、設定を誤るとサイトが表示されない・メールが届かないといったトラブルにつながります。弊社でもお客様から「ドメインをお名前.comで取得したがサーバーとの紐づけ方がわからない」という相談を受けることがあります。(DNS設定で半日潰すくらいなら、最初からエックスサーバーで統一した方が精神衛生上もよいです)
エックスサーバーならドメイン取得から設定まで一括管理できる
Xserverドメインで取得すれば、サーバーとの紐づけが自動で行われるためDNS設定の手間がありません。管理画面も一つで済み、ドメインの更新期限やサーバーの設定変更も一箇所で完結します。Web制作会社に運用を依頼する場合も、管理画面が一つの方がスムーズに引き継ぎできます。
ドメインの取得費用もエックスサーバーの契約特典として無料になるキャンペーンが頻繁に実施されています。サーバー契約時にドメインもセットで取得すれば、初期費用をさらに抑えられます。
ドメイン名は短くシンプルに、末尾は「.jp」か「.com」を選ぶ
短い文字列がSEOにもメールにも有利
ドメイン名は短くシンプルなものを推奨します。一般的にドメイン名はユーザーが覚えるものではありませんが、SEOの観点からも短くわかりやすい方が有利とされています。またドメインはそのままメールアドレスの「@以降」としても使用します。たとえば「info@suzuki-tax.jp」のように、名刺に記載しても見やすい長さに収めるのがポイントです。事務所名をローマ字にしたものや「地域名+士業名」が候補になります。
| 士業 | ドメイン名の例 |
|---|---|
| 税理士 | suzuki-tax.jp / shinjuku-zeirishi.com |
| 弁護士 | tanaka-law.jp / shibuya-bengoshi.com |
| 司法書士 | yamada-office.jp / chiyoda-shoshi.com |
ハイフン(-)は1つまでに抑え、数字や長すぎる文字列は避けましょう。短いドメインほど入力ミスも減り、メールの送受信トラブルの防止にもつながります。
末尾は「.jp」「.co.jp」「.com」のいずれかを選ぶ
| TLD | 特徴 | おすすめの場面 |
|---|---|---|
| .jp | 日本のドメイン、信頼性が高い | SEO面で有利にしたい場合 |
| .co.jp | 法人登記済みの事業者のみ取得可 | 法人格がある事務所 |
| .com | 最も一般的で料金が安い | 費用を抑えたい場合 |
「.co.jp」は法人登記済みの事業者のみ取得できるドメインで、1法人につき1つしか持てません。取得のハードルが高い分、信頼性の面では最も優れています。法人化済みの事務所であれば「.co.jp」を第一候補にするとよいでしょう。
「.jp」「.co.jp」は「.com」に比べて年間の維持費がやや高額(.jpは約3,000〜4,000円、.comは約1,500円前後)ですが、信頼性とSEOの面で優れています。「.tokyo」「.site」「.online」などの新しいTLDは料金は安いものの認知度が低く、士業サイトには不向きです。(「.online」のドメインで法律相談を受け付けても、信頼感は正直薄いです)
Whois公開代行とSSL設定は必ず有効にする
サーバー・ドメインの契約が完了したら、ホームページを公開する前に忘れずに設定すべき項目が2つあります。どちらも初期段階で設定しておかないと、あとからの対応が面倒になります。
Whois情報公開代行で個人情報を守る
ドメインを取得すると、登録者の名前・住所・電話番号・メールアドレスがWhois(ドメイン登録情報のデータベース)で一般公開されます。誰でも検索できる状態になるため、設定を忘れると個人情報がインターネット上に晒されるリスクがあります。(実際に設定を忘れて自宅住所が全世界に公開されていた、というケースを何度か見ています)個人情報の公開を避けるために、Whois情報公開代行は有効にしましょう。エックスサーバーのドメインサービスでは無料で利用でき、登録者情報がエックスサーバーの情報に置き換えて表示されます。
SSL(https化)で通信を暗号化する
SSLはサイトの通信を暗号化する仕組みで、URLが「http://」から「https://」に変わります。SSLが未設定のサイトはChromeなどのブラウザで「保護されていない通信」と警告が表示され、訪問者に不安を与えます。特に士業サイトでは相談フォームから個人情報を送信するケースが多いため、通信の暗号化は信頼性に直結します。
Googleも「https」をランキング要因の一つとして公表しているため、SEO面でも設定は必須です。エックスサーバーでは「Let’s Encrypt」の無料SSL証明書をワンクリックで設定できるため、サイト公開前に必ず有効にしましょう。
最後に
ホームページの開設にはサーバーとドメインが必要です。さまざまなレンタルサーバーを使ってきた経験から、速度・サポート・使いやすさ・運用実績の総合力でエックスサーバーを推奨します。ドメインも同じエックスサーバーで取得すれば、DNS設定の手間が省け管理も一元化できます。ドメイン名は短くシンプルに、末尾は「.jp」「.co.jp」「.com」のいずれかを選びましょう。サーバーやドメインの選定で迷っている方は、まずエックスサーバーの通常プランから始めてみてください。