弊社オルトベースは、今まで数十社の弁護士のホームページ制作を作成させて頂きました。その中で成功するホームページ、失敗するホームページの違いは何か、集客を成功させるためにはどうしたらいいか、今回は弁護士のホームページに関して、弊社のノウハウをお伝えしたいと思います。
目次
ホームページのゴールを決める
知名度を上げたいのか、仕事を増やしたいのか、名刺代わりで作りたいのか、ホームページを作成する目的を最初に設定しましょう。
ホームページ上で集客して仕事を増やしたい!という方が一番多いかと思われますが、その場合は個人・法人のどちらの仕事を獲得したいのか、安請け合いしてでも獲得したいか、法人相手の場合は顧問案件数をどのくらい獲得したいかなども決めると良いでしょう。
逆にホームページを名刺代わりにしたい、ブランディング目的(知名度・イメージアップ)に使いたい、という弁護士事務所のホームページ制作は、デザインさえクオリティが高ければ良い場合が多いので、戦略的な部分を考える必要がなく、制作会社側としてはありがたいのが本音です。
ゴールを設定するのは新規作成だけでなくリニューアルの場合でも同じです。ゴールを決めても制作会社と共有できていないと、デザインやキャッチコピーがブレるため、しっかりと打合せ時に伝えておく必要があります。
失敗しがちなホームページの例
あれもこれもできる!という見せ方は、結局この事務所は何ができるのかわからない、となってしまいます。
商圏エリアに競合がいない場合は、ホームページを使っただけで仕事を獲得できる可能性がありますが、ほとんどの場合は、競合と差別化を図ったり、適切な訴求ポイントを見つける必要があります。
TVCMをやっているような大規模な弁護士法人であれば、無理に尖らせる必要はなく「何でもできる」という見せ方で問題ありませんが、小さい事務所であれば、競合と埋もれてしまい、自社の強さをアピールできなくなります。
変に尖らせてしまうと、自分で仕事の範囲を狭めてしまう可能性もありますが、ホームページをブランディングではなく集客を目的とするならば、何かに特化していることを前面に見せる方が賢いやり方です。
士業がホームページで集客するために注意したいこと
弁護士だけでなく士業全般で共通して言えることですが、小規模の事務所であれば、代表者を中心に見せる、中・大規模の事務所であれば、安心感・信頼感を見せる、というやり方が良いでしょう。代表者を中心に見せるために、顔写真を載せた上で、年齢・性別・性格といった様々な角度からアピールすると良いでしょう。
例えば年齢が若いのであれば、何でも柔軟に対応できる、若いため気軽に話しができる、フットワークが軽い、ITリテラシーがあるので今風なやり取り(Chatwork、LINE、Messenger)が可能といった具合です。
高齢の場合であれば、経験・実績豊富、業界知識が豊富、人脈・ネットワークが活用可能といったところでしょうか。
行政書士や司法書士は対面で打合せをするケースがそこまでありませんが、税理士や弁護士はtoB向けの場合、会社に訪問することが多いと思います。顧問系の依頼であれば末永く付き合うことを想定して探していると思いますので、人物像をしっかりアピールすることが大切です。
ホームページで集客を成功させるために大事なこと
地域系ワード、または業界ワードで上位表示を狙う
こちらも弁護士だけでなく士業系全般で言えることがですが、地域系ワードで上位を獲得することが一番大切です。
Googleで上位表示するための施策をSEO対策と呼びますが、地域系ワードで上位表示を狙うことを「ローカルSEO」と呼びます。具体的な例を挙げると、新宿区の弁護士だった場合、「新宿区 弁護士」で検索した際に、上位表示をさせることです。
実際に検索してみると、2019/04/25時点では下記のように表示されます。
図で解説してある通り、検索結果は「リスティング広告>Googleマイビジネス>検索結果」という順になります。ここで上位表示を目指すことが大切になりますが、Googleは検索するユーザの行動履歴を把握しているため、「弁護士」だけで検索しても、その地域内の弁護士が一覧で表示されます。
「新宿区 弁護士」で検索された際、新宿区で「弁護士」と検索された際に上位表示させるためには、その地域に特化していることをアピールすることが大切です。h1やタイトルに地域ワードを埋め込んだ上で、ユーザの役に立つページを随時更新し続ければ、比較的簡単に上位表示することができます。
また市区町村ワードだけでなく、最寄り駅や地名などのワードも盛り込むようにしましょう。例えば「豊島区」と「池袋」だと、「池袋」の方が圧倒的に検索される数が多いです。Google広告のキーワードプランナーを使うことにより、月間で検索された数を見ることができますが、月間検索数は以下のようになります。
池袋 | 301,000 |
---|---|
池袋駅 | 49,500 |
豊島区 | 22,200 |
Google広告のキーワードプランナーの画面上では下記のような形で表示されます。月間検索数の正確な数値は実際に広告を運用してお金を使わないと表示されない仕様に最近変更されましたので、ご注意ください。
Googleもバカではないので、豊島区の弁護士のホームページに一切「池袋」というワードがなくとも、「池袋 弁護士」で検索したら表示はされますが、ワードを入れている場合と入れていない場合では、検索順位が異なる場合が多いため、必ず地域に関連するワードを網羅するようにしましょう。
都内であれば、千代田区は飯田橋、中央区は日本橋、北区は赤羽、武蔵野市は吉祥寺といった感じです。
Googleマイビジネスへ登録する
先程の図で解説した通り、検索結果の一覧は、(広告があれば)リスティング広告の次にGoogleマイビジネスが表示されます。
Googleマイビジネスは無料で登録することができ、登録することにより、Googleマップ上に会社が登録されるだけでなく、会社名で検索した際の右側(ナレッジパネル)に表示されたり、弁護士と検索した際にGoogleマイビジネスの一覧に表示されたりと、メリットが多々あります。
デメリットとしては、ネガティブなレビューが書かれるリスクがある、といったところでしょうか。登録の仕方は下記の記事が参考になりますので、ご参考にしてください。
Googleマイビジネスの登録方法を完全解説!運営上の注意2つも紹介
ユーザが興味を持つ記事を書く
ホームページは作って終わり、という代物ではありません。
集客できるホームページにするためには、ターゲットユーザが知りたいような情報を記事化することが大切です。これを「コンテンツSEO」と呼びますが、どのSEO対策会社に相談したとしても提案されるくらい、非常に重要な施策となります。
昨今の流れとしては、WordPress(ワードプレス)と呼ばれる、誰でも簡単に更新作業(記事の作成・編集)ができるシステムを使って、ホームページを作成・納品し、「コンテンツSEO」を行う流れが主流です。
以前まではページを作成・更新しようと思った際、制作会社に外注するという傾向がありましたが、Wordpressで納品することにより、クライアント様側で簡単に作成・更新ができるため、制作会社にお金を支払って依頼する必要性がなくなりました。
「ターゲットユーザが知りたいような情報を記事化する」と書きましたが、弁護士業界の場合、個人向けか法人向けかで分かれるかと思います。
個人向けの例
男女問題、消費者被害、相続・遺言書、借金、交通事故など
法人向けの例
企業法務、契約書、知的財産権、企業再生・M&A、債権回収、税務訴訟など
法改正されたタイミングで法を解説する記事、最近話題になっている事柄を弁護士が解説する記事はアクセスを集めやすくお勧めです。
具体例を挙げると仮想通貨、民泊、fintech、ソーシャルレンディングなどです。税理士・会計士の分野になる場合もありますが、専門的な意見やノウハウを記事化することにより、上位表示の可能性があるだけでなく、専門家としてメディアに露出できる可能性もあります。
最近では池袋で行った悲惨な交通事故に関する、弁護士の記事がネットで拡散し、様々なメディアに転載され取り上げられました。
「上級国民だから逮捕されない」は弁護士から見ても本当と思う理由
物議を醸す内容なので炎上リスクがありますが、弁護士ドットコムニュースが配信している内容は大衆向けの記事が多く、アクセス数を集めやすい・ネットで拡散しやすい記事が数多くあります。
どんな記事を書いたら良いかわからない方は、参考にしてみるのも良いでしょう。
リスティング広告を行う
ホームページを作成した後、コンテンツSEOを行っても、すぐに効果は出ません。検索結果の上位に表示されるまで、新規作成の場合は3ヵ月程度~6ヵ月程度、リニューアルの場合は1ヵ月~3ヵ月程度の時間がかかります。
すぐに集客をしたい!という場合はリスティング広告がお勧めです。流れとしては、GoogleやYahooが提供する広告サービスに申し込み、キーワードを設定する形になります。設定したキーワードで検索された際に、下記のエリアに広告が表示されます。
クリック課金型なので、広告が表示されるだけでは費用が発生せず、クリックされて初めて課金されます。課金額は非常に複雑な計算式で導きだされますが、基本はオークション形式なので競合が多ければ多いほど高くなります。
弁護士業界は紹介が禁止されているため、そこまで競合が多くありませんが、税理士業界は紹介会社が数多く存在するため、1クリックあたりの課金額が高額になるという特徴があります。
ただキーワードによっては他士業と競合する可能性があります。企業法務や契約書作成などは司法書士、行政書士などが広告を出しているケースや、相続・遺言は税理士が広告を出しているケースがあるため、キーワードによっては高額になる可能性があります。
債権回収系のキーワードはサービサー、司法書士と競合し、以前クライアント様の広告運用を代行した際、かなり高額だった記憶があります。(1クリック1000円とか)
リスティング広告の最大のメリットは、特定のターゲット層にホームページを見てもらえることです。ターゲット層が検索しそうなワードを考え、それらを設定することにより、特定のお問合せを獲得することができます。
検索地点を市区町村単位で設定しておくことができるため、「新宿区で企業法務を考えている方を集客したい」と思った場合、ターゲット地域を新宿区、年齢層を30以上、キーワードを「企業法務」「顧問弁護士」「契約書作成」「訴訟対応」のような感じで設定すれば、ターゲット層にアピールできる可能性があります。
ただ実際にユーザがどういった意図でそのキーワードを検索したのか、というのは決してわからないため、検索意図を読み取った上で、キーワードを設定する形になります。
先の例で言えば新宿区で「企業法務」と検索したが、言葉の意味がわからないので検索しただけ、という可能性があります。
この検索意図を読み取るという行為は、コンテンツSEOでも最も重要になります。
宣伝ですが、弊社ではホームページ制作だけでなく、士業系のリスティング広告・SEO対策の経験が豊富なので、ぜひ一度お気軽にご相談頂ければと思います。
弁護士・法律事務所のホームページの構成案
グローバルナビゲーションの例
グローバルナビゲーションとは、どのページに遷移しても表示されるメニューのことです。ホームページを作る場合はまずこの部分を決定する必要があり、よくある例を下記にまとめました。
- ごあいさつ
- 事務所特徴(事務所の強みや特色)
- 事務所案内(沿革・住所・外観・アクセス)
- 業務内容
- 顧問契約プラン
- 弁護士費用・料金表
- プロフィール・弁護士紹介
- ご相談の流れ
- お知らせ(ブログ)
- よくある質問
- お問合せフォーム
WordPressでホームページを制作する場合、「お知らせ(ブログ)」を随時更新できるようにし、「コンテンツSEO」を行う流れが一般的です。
また「業務内容」はそれぞれの業務毎にページを作成することにより、「新宿区 顧問弁護士」「新宿区 法務顧問」「新宿区 交通事故」「新宿区 離婚問題」といったように、「地域名+業務名」で上位表示が狙えるので、別々に作成することをお勧めします。
サイト構成に関して
業務範囲が多岐に分かれる場合や会社の規模を拡大していきたい場合、離婚問題特化型サイト、相続特化型サイトというようにそれぞれ特設のサイトを作成することにより、コストが高くなりますが、より集客しやすくなるメリットがあります。
この場合「.co.jp」のドメインで事務所のホームページ(=コーポレートサイト)を作成し、「.com」「.jp」などでそれぞれ特化型サイトを作成する流れになります。特化型サイトを作成すると集客しやすくなるロジックとしては、検索順位で上位を狙える可能性が増すためです。
Googleが公開している「検索品質評価ガイドライン」によると、記事の作成は「E-A-T」が重要と強調しています。「E-A-T」とは専門性・権威性・信頼性のことで、特に専門性が重要視されている傾向にあります。
離婚問題の記事を見に来たユーザに対して、関連記事に企業法務の記事を表示しても誰も興味を持ちません。何かに特化することにより専門性が増し、回遊率・滞在時間が改善し、Googleから評価されて上位に表示される可能性があり、上位に表示されれば、アクセス増加が見込めます。
また「この問題を解決するならココ」とユーザにアピールできれば、再訪率(リピーター率)やお問合せ率の向上にも繋がります。
注意点としては、ドメインが別々になることによるドメインパワーの分散です。Googleはドメインパワーという指標の存在を認めていませんが、運用歴が長く、ユニークな情報(オリジナルな内容)を随時配信しているドメインが上位表示されているのは、誰が見ても明らかです。
このドメインパワーは「Moz」という海外のツールを使えば、ざっくりと把握することが可能です。
特化型サイトを運用する場合は、ドメインパワーを分散してしまうリスクがあるため、一つに統合した方が良い、と提案するSEO対策会社もいることでしょう。
ただ弊社の所感としては、アクセスだけでなくお問合せ数を稼ぎやすいという観点から、ホームページ制作の予算感が80万以上ある場合、自社の会社サイトと、特化型サイトを分ける形式をお勧めしております。(50万以下の場合は予算的に難しい)
参考にしたい弁護士・法律事務所のホームページデザイン
かっこいい・オシャレな弁護士・法律事務所のホームページデザインを紹介します。どこも非常にクオリティが高く、ぜひ参考にしたいところです。
QUEST法律事務所
港区にある赤と青の対比が綺麗な法律事務所のホームページデザイン例
写真の使い方が美しい、シンプルなデザインのホームページ。下層ページは全て違うテンプレートでデザインされており、細部まで丁寧に作られている。 少し情報量が少ない印象を受けるが、TOPからの各要素(リンク先)が大きく設計されており、非常に見やすい構成になっている。赤色は個人向け、青色は法人向けと色使いを分けており、視覚的に業務メニューの違いがわかるようになっている。 安心感・信頼感を前面に演出した...
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ファーストビューでは法律事務所の社員を前面に見せるデザインで、重なるように3つの相談フォームを設置している。ポータルサイトのような構成で各種サービスごとで特設サイトを別ドメインで用意しているという、力の入れ具合。 テーマが違うホームページは別ドメインで新しく作成する、という会社は多いがSEO的には意見が分かれるところ。(別サイトにした方が関連性が高くなり上位に上がりやすいと言われているものの、ド...
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
とにかくクオリティが高い法律事務所のホームページデザイン例
今まで色々とホームページのデザインをまとめてきたが、間違いなくトップクラスにクオリティが高いホームページ。 単純なデザインだけでなく、メニューのドロップダウン、ニュースのタブ切り替え、マウスオーバー時の動作など、Javascript側(フロント側)の動作が色々と組み込まれており、使い勝手という面でも非常にレベルが高い。 ちなみに同社の採用サイトも非常にクオリティが高く、全体的な構成から細部まで...
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斜めラインが印象的なかっこいい法律事務所のホームページデザイン例
ヘッダー部分の斜めラインが印象的なホームページ。代表者の写真はスライドで切り替わる構成で、その写真に重なるように最初のコンテンツが配置されている。「相談の流れ」ではスクロールしても写真が固定する技術「パララックス」を取り入れており、ページ遷移時にローディング画像を出すようにしていたり、下部にスクロールするとヘッダー部分が固定されたりと、手の込んだ作りになっている。全体的に装飾が少なくシンプルな構成...
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弁護士・法律事務所のホームページを作るなら
弁護士・法律事務所のホームページ制作・リニューアルをお考えの方、ぜひ弊社にご相談下さい。一都三県であれば、無料でお伺いさせて頂きます。
ホームページの作成、リスティング広告、SEO対策といった業務はどれも業界知識が必須です。弊社では多数の実績・経験があるため、制作費用はそこまで安くないかもしれませんが、結果が出る、という所に拘って提案をさせて頂くことが可能です。