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2023.07.28

税理士のリスティング広告戦略を解説

森井 良至
執筆者
合同会社オルトベース 代表 森井 良至

リスティング広告とは

リスティング広告は「検索連動型広告」「ディスプレイ広告」に分かれます。予算や広告の目的により最適解が変わります。配信は、「Google広告」や「Yahoo広告」でアカウントを作成し、入金したうえで、配信していく流れとなります。

「検索連動型広告」「ディスプレイ広告」も、クリックされて始めて費用がかかる仕組みとなっており、その費用は競合とのオークションで決定する流れとなります。

5年ほど前より「ディスプレイ広告」においては、インプレッション=表示されたタイミングでの課金や、CV=お問い合わせなどのゴールが発生した際の課金など、クリック以外の費用形態も用意されております。

リスティング広告の特徴

リスティング広告の特徴としては、気軽に初めやすく、辞めやすい特徴があります。アカウントを作り、5万円だけ利用し、結果が悪ければ撤退、という判断が可能です。

  • いつでも停止・再開ができ、最低利用期間や最低出稿額がない
  • (基本的には)クリックされて初めて費用が発生する
  • 広告の期間(日時)指定や地域(都道府県や市区町村)、デバイス(PCやスマホ)の指定ができる
  • 表示回数、クリック数、(タグの設置をすれば)お問合せ数などが計測できる

顕在層を狙える「検索連動型広告」

検索連動型広告は、指定したキーワードで広告を配信するメニューで、GoogleやYahooの検索エンジン上で表示されます。

何らかの商材を販売したい、資料請求やお問合せを増やしたい場合、基本的には検索連動型広告がお勧めで、一番コスパ良く、集客できます。重要なのは、どんなキーワードを設定し、どのような配信設定を行うか、となります。

検索連動型広告のメリット

  • 指定したキーワードで検索したユーザに広告が出せる
  • 見込客が高いユーザに直接訴求ができる
  • .少額の予算でも一定の結果が見込める

検索連動型広告のデメリット

  • マッチタイプを間違うと無駄使いとなるリスクあり
  • しっかり運用しようとすると、除外キーワードの設定などで一定の運用の手間がかかる
  • 認知度拡大には繋がりづらい(検索エンジン利用者に絞られるので)
  • テキストでの訴求となり、(ディスプレイでの)画像に比べると訴求力が劣る

潜在層にアプローチする「ディスプレイ広告」

ディスプレイ広告は、指定したバナーやテキストを配信するメニューで、あらゆるWebサイト上に表示されます。

自社の認知度を向上させたい場合や、リマーケティング広告といって、一度自社サイトに流入があったユーザの再訪を促す場合などで、利用する機会が多いです。

ディスプレイ広告のメリット

  • あらゆる媒体に掲載されるので認知度拡大に繋がる
  • 特定のジャンルやURLを指定しての配信が可能
  • バナー(画像)や動画での訴求が可能
  • リマーケティング広告が可能

ディスプレイ広告のデメリット

  • 一定の予算を捻出しないと結果が見込みづらい
  • 効果測定が難しく、運用の手間がかかる

税理士事務所が広告をするなら、検索連動型広告がベター

前提として、下記記事で解説しているように、リスティング広告は税理士紹介会社が多数出稿しております。オークションで1クリックあたりの価格が決まるので、税理士事務所が広告を出そうとすると、非常に高いクリック単価を支払うことになり、顧問案件を取るために広告を出しても費用対効果が合わない、となる可能性が高いです。(資金調達や会社設立なども同様です)

SEO対策(ユーザの役に立つ記事作成)を最優先施策として推奨しているとはいえ、すぐすぐに案件を獲得したいといった場合、SEO対策は結果が出るまでに半年以上の期間を要するので、リスティング広告を行う選択肢もありです。

リスティング広告を行う場合、税理士法人で全国に支店があるケース、大量の予算(月100万以上)が捻出できるケースを除き、検索連動型広告をメインに運用すべきです。上述したようにディスプレイ広告は知名度向上的な側面が強く、少ない予算では結果が出づらいためです。

広告運用で最も大切なCPAについて

リスティング広告では、CPAという指標が非常に大切になります。

  • CPA=1件のCVを獲得するまでにかかった費用
  • CV=自社サイトからのお問合せや面談予約などの行動

たとえば、広告をやって1件のCVを獲得するのに3万円(CPA3万円)かかったとします。当然ですが、お問合せがあっただけなので、費用相場を知りたいだけの目的だったり、そもそも遠方で対応ができなかったり、メールを送っても無視されるなど、面談にすら至らない場合が多々あります。

面談ができたとしても、そもそも顧問契約を必要としていなかった、他の税理士と契約した、といったように契約までつながらない可能性があります。そこで、広告を適切に運用するために、1件のCV(お問合せ)にかけられる予算(=CPA)の目安を計算しておくことが大切です。

税理士のCPAは3~6万円程度

仕事上、多くの士業と話をしますが、1件のCVの契約率は10%程度、という印象です。「10CV獲得できて、初めて1件の契約に至る」計算になります。1件のCVのCPAが3万円の場合は、30万円支払って、1件の契約となります。

税理士紹介会社を利用して顧問契約をすると、年額の顧問料の60~77%程度を請求されるので、仮に年額50万での顧問契約で手数料が60%の場合、30万円の手数料が発生します。このように考えると、広告はコスパが悪いとは言えませんが、紹介会社と違って、自社サイトからお問合せが発生したら能動的に対応しないといけないので、多少の営業コストが発生します。

税理士のCPAは、顧問契約の場合はCPA5,6万円程度、確定申告などはCPA1,2万円程度という印象です。とはいえ配信地域を絞って効率よく運用しなければ、CPAが平気で10万以上となる場合が多々あるの注意が必要です。

広告を配信するなら何かしらの差別化を

税理士を探す方の多くは新規で、税理士の変更は割合として少数です。顧問案件を狙うなら、新規で税理士を探す層にアプローチすることになりますが、起業したばかりの企業は高額な顧問費用は捻出できません。(そもそも、高額な費用を請求するほどの業務がないケースが多いですが)

そのため、起業層に絞って、例えば「設立3年未満は月額1万円の顧問料」といったような安い顧問料のプランを作り、興味引きを行うとベターです。または「製造業に特化」「IT業に特化」といったように業界に特化する方法や、「資金調達」「相続」「税務調査対策」などの業務に特化する方法もあります。

そういった差別化要素があると、広告のテキストや、ランディングページ(広告のリンク先ページ)で訴求しやすくなり、CPAを抑えられる可能性が高くなります。

差別化の要素においては下記の記事を参考にすると良いでしょう。

税理士広告でのキーワード選定

キーワードによってユーザーの熱感(検討度合い)が違うため、それを意識してキーワードを選定する必要があります。

自社の事務所名【熱感:高】

自社の事務所名は基本的に広告を出さなくとも、既に上位表示されているケースが多いかと思います。既に1位で、他社の広告が表示されていないのであれば、事務所名で広告を出す必要性も薄いですが、1位を取れていない場合や、広告が表示されている状態だと、機会損失に繋がるため、広告を出しておいた方がベターです。

起業したばかりでは事務所名で検索してくれる方は少数なので、効果は薄いのですが、認知度が向上して、検索してくれるユーザが増えていくと、一定の効果が見込めます。

エリア系の掛け合わせキーワード【熱感:高】

士業全般にいえますが、税理士を探すユーザの主な行動は「新宿区 税理士」といったように、エリアで検索する傾向にあります。よって、自社の商圏エリアを定めたうえで、エリア系のキーワードを登録すると効果が出やすいです。

とはいえ、実際に検索してもらうとわかるのですが、多数の税理士紹介会社が広告を出稿しているため、入札単価(クリック単価)が高額になりがちです。5,6年ほど前は、紹介会社も少なかったので効果が見込めましたが、今はコスパが合わない、という税理士様も多い状態です。

一般系の掛け合わせキーワード【熱感:中~低】

「税理士 相談」「税理士 費用」「税理士 製造業」など、税理士を探すユーザが検索しそうなキーワードです。「税理士 製造業」は製造業に強い税理士を探す、という検索意図となります。一般系の掛け合わせキーワードは下記のように熱感を分けることができます。

熱感 一般系の掛け合わせキーワード 解説
高い 税理士 相談、税理士 費用、税理士 比較、税理士 見積もり、税理士 紹介、税理士 変更、税理士 選び方、税理士 業界名、など 税理士を探そうとしているので、検討度合いが高い
普通 役員報酬 決め方、法人化 税金、会社設立 流れ、など 会社設立を検討しているので、設立後に税理士を探す可能性が高い

低い 税理士 会計士、キャッシュフロー、青色申告、など 税理士と会計士の違いや、キャシューフロー・青色申告などの単語の意味を調べようとしているので、検討度合いは低い

「顧問案件」を獲得する想定となるので、仮に「会社設立」系の仕事を狙うなら「会社設立 相談」「会社設立 見積もり」などに置き換える流れとなります。これらのキーワードは全国配信してしまうと、大量のクリックが発生してしまうので、地域を絞って配信しましょう。

単体キーワード【熱感:低】

「税理士」「顧問税理士」「資金調達」「決算申告」「記帳代行」「税務調査対策」といった、単体(1単語のみ)のキーワードとなります。これらのキーワードは、用語の意味を調べる目的であることが多いため、基本的に避けた方がベターです。

とはいえ、配信面を特定の市区町村に絞り、単体キーワードで配信する、という手法もあります。都道府県単位での配信となると、特に首都圏であれば大量のクリックが発生しますが、市区町村であれば、(エリアにもよりますが)そこまでクリックが発生せず、CVが発生することがあります。

お勧めの配信設定

配信を行うにあたり、どのようなルールで運用するかを設定できます。「新宿区と豊島区で○○と検索した人に対し、パソコンからの検索のみとし、平日10時~15時の場合は入札単価を上げ、それ以外の時間は入札単価を下げる」といった詳細な設定ができます。(年齢や性別、世帯年収などでも設定できますが、検索連動型広告の場合はそこまでやる必要はありません)

マッチタイプについて

「税理士 費用」でキーワードを設定する場合、どのようなマッチタイプにするか選択をします。

マッチタイプ 表示されるキーワード例 解説
完全一致 税理士 費用、税理士 相場 従来は「税理士 費用」しか表示されない仕様でしたが、今は類義語も表示されます
フレーズ一致 税理士 費用 個人、税理士 金額、会計士 相場 従来は「税理士 費用 ○○」でしか表示されない仕様でしたが、今は類義語や表記揺れも表示されます
部分一致 顧問料、税理士 選び、法人化 費用 極端な例ではありますが、「税理士 費用」で検索するような人が検索する他のキーワードでも表示されます

入札戦略

入札戦略は「手動入札」と「自動入札(またはスマート自動入札)」の2つがあります。

簡潔に説明すると「手動入札」は手作業でキーワードの入札単価を決めていくもので、「自動入札」はGoogleのAI(人工知能)に運用を任せることです。

どちらを選ぶかは広告代理店によっても、見解が分かれるところです。弊社では、予算が少額(月額30万円以下)であれば、「手動入札」を推奨しております。(当然業種にもよりますが、士業の前提)

以下「手動入札」と「自動入札」のメリット・デメリットです。

メリット デメリット
手動入札 ・配信単価を自分で設定できる ・除外キーワードの設定や入札単価の金額設定などで運用の手間がかかる
自動入札 ・運用の手間がある程度軽減される
・予算が多い場合はCPAが下がりやすい
・部分一致と相性が良い
・学習が終わらないとCPAが高額になりがち
・予算が少ないと結果が出づらい

「自動入札」の良い点として「部分一致と相性が良い」と書きましたが、詳しく解説すると、例えば「税理士 練馬区」を部分一致で登録していたとして、とあるユーザが「練馬区」から過去に「税理士に関連する用語」で検索していた場合、そのユーザが全く別のキーワードで検索した際にも表示されることです。

要約すると、熱感の高そうなユーザに対して、設定していなかったキーワードでも広告配信してくれます。これは「手動入札」でも同じことが起きるのですが、「自動入札」の場合は、熱感度合いに応じて、入札単価を決めるので、より最適化された広告配信ができます。

「手動入札」の方がお勧めと記載しましたが、知識がない状態だと色々と面倒な設定や運用の手間がかかるのですが、仮に自社内で運用を行うのであれば、「自動入札」でもありかと思います。

Googleは数年前から、AIでの広告運用に力を入れており、管理画面を見ていても、何としてでも「自動入札」をさせたい、という意図を感じます。(確かデフォルトは自動入札です)

配信地域

自社の所在地(都道府県)+ 隣県を入れるかどうか、首都圏であれば都道府県単位でもキーワードやマッチタイプによっては大量のクリックが発生するので、市区町村単位で設定するかどうか、となります。

市区町村を指定して運用する場合は、登録するキーワードを、極力広め(熱感を中レベルまで落とす、または部分一致)で設定する必要があります。

デバイス

デバイスは「パソコン」「タブレット」「スマートフォン」で配信の設定が可能です。士業系全般のキーワード(というより法人向けキーワード)は「スマートフォン」に配信すると、CPAが悪化しがちなので、基本的には「パソコン」のみの配信がお勧めです。

とはいえ、確定申告案件を獲得するのであれば、個人事業主・フリーランスが対象となるので、「スマートフォン」向けに配信しても良いかもしれません。

配信地域も同じですが、配信する、配信しないの2拓だけでなく、入札単価を下げて(または上げて)配信する、といった調整もできます。

広告運用の代行に関して

広告代理店やホームページ制作会社に相談するのも良いですが、個人の事務所なら、月にかけられる予算は10万程度のところが多いのではないでしょうか。

月額予算が10万以下だと、そもそも代理店が対応してくれないケースがありますし、対応してくれたとしても、毎月の消化額から手数料として15%~30%持っていかれる場合があるので、費用対効果が合わない場合が多いです。

(他の代理店でも対応している場合がありますが)弊社では、初期のアカウント構築費のみとして、費用を請求し、実際に運用スタート後、あとはスポットでご相談いただけるようなプランをご用意しております。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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